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麻雀愛好者に向けて

技術を覚える前に、考え方を覚えるべき

先日、誘われて高田馬場にある「ガラパゴス」というお店に行ってきました。コロナ禍で雀荘は閑古鳥かなと勝手に思っていましたが、ご高齢の方を中心に大賑わいで驚きました。麻雀は手と頭と声を使うので、認知症予防に大きな効果があるとのこと。確かに病院の待合室で毎日、ご近所付き合いをするよりはよっぽど健康的かもしれません。若い世代が減っていく中で社会保険制度を崩壊させないためにも良いことです。

さて、そこで気付いたことがあります。麻雀の打ち方の本は沢山ありますが、ほとんどが麻雀プロと呼ばれる職業の方やネット麻雀の最高峰の方が書いた高度な内容のものばかりです。初心者向けもありますが、捨て牌から相手の当たり牌を読む方法や、待ちを広くする方法など、技術の解説が多いのではないでしょうか。

麻雀もゲームなので、ルールを覚えるなどの最低限の知識はもちろん必要です。しかし技術の前に覚えるべき考え方があります。人間がそれぞれ違うように、戦い方はそれぞれ違います。野球で例えるなら、ホームランバッターにはバントの技術やゴロを打つ技術は不要です。あれば役に立つかもしれませんが、それよりも全力でフライを打つ事にこだわる方がよっぽど有益です。

というわけで私が考える「まず覚えるべき考え方」を説明します。これから麻雀を覚える方、覚えたての方、あるいは熟練の雀士の方も、眉に唾をつけながらで良いので読んでみてください。ちなみに私がどれぐらい強いかというと、麻雀プロには当然かなわないでしょう(打った事はありません)。しかし一般人相手であれば、かなり打ち慣れた相手であっても勝負になるレベルだと思います。正確に言うと、技術的に劣っていても、運が優れているので総合的に有利、といったところでしょうか。過去にプレイしていたネット麻雀だと上位5%ぐらいの層には入っていたと思います。

半分ネタバレしてしまいましたが、技術が劣っていても有利ということが疑問に思われたかと思います。これは経験則ですが、一般人が打つ麻雀では、技術よりも運の要素が大きいのです。ではなぜ雀荘にいる先生は技術しか教えてくれないのか。当たり前ですが、技術は教えられても運は教えられないからです。

ここで、日本の麻雀史における偉人、阿佐田哲也(色川武大)さんの名著「麻雀放浪記」から引用したいと思います。『麻雀を点棒のやりとりだとしか思えない人は永遠に弱者である。麻雀は運のやりとりなのだ。点棒の流通は誰の目にも見える。が、運の流通は見えにくい。だから多くの人が無視する。』

私がこのフレーズを読んだのは大学1年生の時です。ものすごい衝撃でした。車の免許を取得するために行った免許合宿で、先に来ていた先輩にカモにされた直後だった事もあるかもしれません。運について考えるようになり「どうやって運を稼ぐか」を追求し始めたら、あっというまに勝ち組になったのを記憶しています。

長くて恐縮ですが、ここまでが前置きです。「運のやりとり」とは何か、私が体感してきた事をお伝えすると、「後ろ向きなミスをしない」という事です。では後ろ向きなミスとは何か、簡単に言えば「チャンスを自ら捨てる」という事です。

自分がチャンスの番だと思ったら、見えない敵(の牌)を恐れないことが大切です。プロ同士ならいざしらず、一般人だけで麻雀をしている場合、ずっと運が悪いなんてことはありません。必ずチャンスが来ます。そこで全力で戦って負けて点棒が減ったとしても、運は減っていません。そして運が積み上がれば、点棒は後からついてきます。必ず。

捨て牌から危険牌や安全牌を推測する技術なんて、沢山振り込めばそのうち身に付きます。しかし運を集める方法は、意識していないと身につきません。プロを目指す方はともかく、一般人だけで打つのであれば、(みんなが気にしていない)運を集めるという考え方は非常に役に立ちます。

最後に。運を集めるという非科学的な考え方について真面目に説明しましたが、もし科学的な根拠を提示するとすれば、「精神的な動揺を無くす」という事に尽きます。運が良い悪い、流れが良い悪いというのが思い込みだとしても、少なくとも自己暗示の効果によって、点棒の増減に動揺しない精神力を持つことができます。動揺を抑えることで最善の能力を常に発揮することができるなら、結果として勝ちやすくなるのではないでしょうか。

(文責)岩永

2022年5月4日 2:28