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異論・反論の戦術

やりたく無い仕事から、どうやって逃げるか

本コラムを更新するのは久しぶりです。主に私の怠慢が原因です。人間だからそんな時もある、と言い訳するのが私の悪い癖でもあります。

というわけで、今回は「異論・反論の戦術」というテーマにしてみました。具体的には「やりたく無い仕事から、どうやって逃げるか」という事です。やりたく無い仕事を指示されたこと、ありませんか?

私もサラリーマンでしたので、沢山ありました。そんな中で覚えた処世術の一つです。もっと上手いやり方をご存知の方も沢山いると思いますので、あくまで一例として(何言ってんだコイツという気持ちを半分ぐらい持って頂いて)お読みください。

まず前提として、業務命令を無視することはできません。ですので、逃げられる仕事と逃げられない仕事があります。接客の仕事なのにお客さんと会話したくない、というのは不可能なので、転職すべきです。さすがに。

ただ一般的に「やりたく無い仕事」というのは、メインの業務ではなく、単に面倒なだけの仕事、目的がわからない仕事、誰もやってくれないから拾っている仕事、慣習でやることになっている仕事、等が多いと思います。

今回は、こうした”やりたく無い仕事から逃げる戦術”について書いてみます。ちなみに、やりたく無い仕事から逃げる”戦略”は、その会社を辞めることです。与えられた条件の中で足掻く事を”戦術”と呼んでいます。

1. 誰の発案かを確認する
まずは基本的な情報集めです。社長発案の業務等だと、実行することが目的になってしまうので、上司に何を言っても無駄になります。同様に、聞く耳を持たない上司が発案者の場合、足掻くだけ損をする可能性があります。

2.会話の主導権を取る
やりたく無い仕事がある場合、みんな手を挙げたく無いので、目立たないようにおとなしくなる傾向があります。じっと黙ってやり過ごす戦術です。これは上手く行く場合もありますが、上司の気分で選ばれるリスクがあります。また上司も人間ですので、強く頼めば受けてくれるであろう人を狙って頼みにきます。こうしたリスクを避けるため、依頼先が自分に向かないよう、会話の主導権を取ることが大切です。

会話の主導権を取る際には、ルールがあります。まずネガティブな反応から入らないということです。上司から譲歩を引き出すためには、敵になってはいけません。その上で、以下の項目について質問をしていきます。

A. 目的の確認「これって、何のためにやるんですか?」
納得できたら積極的にやります、的な態度で臨んでください。なお上司が目的を説明できなくて「とにかくやるんだ」という反応だった場合、要注意です。上司のさらに上司からの指示の可能性が高いです。この場合、以下の施策は忘れて、自分以外の人に仕事を振ってくれるような理由を全力で考えましょう。笑

B. 手段の確認「それなら、こういうやり方の方が良くないですか?」
何らかの目的を上司が説明した場合、次のステップに進みます。その目的を実現するために、別の方法を提案する。あるいは、もっと良い方法を検討することを提案するのです。

目的を確認せずに、いきなり手段を提案してしまう人がいますが、これは危険です。理解力の高い優秀な方ほど、こうした罠に落ちてしまいがちです。まず上司が達成したい目的を確認し、それをみんなに共有し、ゴールを明確にした上で、ゴールへの道筋を提案するようにしてください。

当然ですが、業務の手間が大きく減る手段や、自分の負担が少ない手段、または自分が担当から逃げやすい手段を提案するようにしましょう。思いつかない場合は、全員に問いかけて案を出してもらうのも良いかと思います。

C. 優先度の確認「それって、今すぐにやる必要ありますか?」
ゴールが明確になり、やる方法も決まってしまった、となれば、後は時間を稼ぐしかありません。それが本当に優先度の高い業務かどうか、確認しましょう。期限をなるべく先に設定するのも大切です。

人間は忘れっぽい生き物なので、ある程度時間が経てば、指示した方も忘れたりもします。期限をかなり先に設定できれば、忘却効果を期待することができます。さらに、忘れたふりをして放置という手段も使えます。1回だけですが。生真面目な方は放置することに抵抗があるかもしれませんが、指示した本人が忘れるということは、本当はその程度の優先度なのです。呼吸を忘れる人はいませんからね。

3.自分の状況の説明
目的、手段、時期について明確に回答されてしまった場合、あなたに最後に残された手段は1つしかありません。やりたくない仕事は、他の人にやってもらう。これだけです。

もっと優先度の高い業務を抱えている、向こう3ヶ月は時間がない、自分がその業務を担当すると何らかの支障がある、などなど、全力で主張しましょう。あとは上司が自分を選ばないことを祈るのみです。

以上です。

目的、手段、優先度を確認する前に、自分の状況の説明をしないように気を付けて下さい。忙しいから無理です!という主張は、ただサボりたいだけに聴こえますし、「忙しいのはみんな同じだから」と反論されたら困ってしまいます。

あくまで、目的が合理的か、手段が妥当か、優先度はどの程度か、という点を議論するように心がけて下さい。アホな指示をする人は、だいたいここら辺が曖昧ですので。

嫌な仕事から逃げる方法と題して、つらつらと書きましたが、目的、手段、優先度を確認する、と言う基本的な話で着地してしまいました。でも基本が一番大切ですよね。

(文責 岩永)

2023年2月3日 18:44